ステッキ・杖で健康長寿

「素敵っき」を使って健康長寿!

人類は400万年前に素早く自分たちの餌を追い求めるため、それまでの四足歩行に比べて二足歩行の方がエネルギーは少なく、最大の食物を獲得することができる機動的で効率的な動作であることを学習した上で、直立二本足歩行を会得し活動したのが人類化の起源とされ、その結果真っすぐ立って歩きながら両手が自由に使えて用途に応じて様々な道具を生み出し、その後も世界中で新しい文明を開発し今日の豊かな生活文化を構築してきた動物です。

昨今、充実した豊かさを享受できる長寿命国となった今日でも、「変形性関節症」や「腰部脊柱管狭窄症」に苦しむ患者も多いのですが、苦痛が原因で歩くことを躊躇すると脚の筋肉は通常でも加齢と共に衰えますが、一層退化が加速してしまいます。

その対策として筋肉を増強し健康維持を図る為に“運動の王道”といわれるステッキを活用する“まず転ばないようにシッカリ歩く「ステッキ健康ウォーキング」によって

  • ① 加齢による筋力やバランス能力、瞬発力等の運動能力の低下によって転び易い「パラシュート反射」状況を緩和
  • ② 第二の心臓といわれる「ふくらはぎ」の筋肉を強化して全身の血行量を増やしエネルギーの元となるブドウ糖を脳に供給して認知症の予防
  • ③ 日光を浴びながら歩くことによって、ビタミンDの吸収に伴うカルシュームの生成により骨密度を増やし骨粗鬆症の予防
  • ④ 内臓脂肪の燃焼を促進して長寿ホルモン「アディポネクチン」の活性化

…等の効果を高め健康を維持して健康長寿を心掛けることが望ましいのです。

 
 

1.ステッキ健康ウォークで筋肉補強と認知症対策

「マッスルメモリー」と「サルコペニア」対策

サルコペニアとは、加齢や生活習慣の影響によって、筋肉が減ってしまう状態です。Sarx(筋肉)とPenia(減少)というギリシャ語を組み合わせた造語で、1989年ごろにアメリカで提唱された新しい概念です。

人間の筋肉は筋線維という細長い細胞の筋束で形成され、心筋(心臓の筋肉)、骨格筋(骨の筋肉)、平滑筋(胃腸の筋肉)の三種類、全身で約600個といわれ、そのうち自分の意志によって自由に動かすことができる骨格筋は約400個、体重に占める筋肉の割合は、男性は体重の約二分の一、女性は約三分の一の最大の臓器と言われています。(筋肉数の違いではなく筋肉の太さの違いで男性の筋肉は女性の筋肉より太いので、太い筋線維が強い力を発揮します)特に歩く際には骨格筋(大腿四頭筋、下腿三頭筋、前脛骨筋、腸腰筋、背筋等)の三分の二を同時に動かすと言われ年を重ねると下肢の筋力が衰えて、意識的して歩かないと30歳前代をピークにして1年経るごとに1%ずつ減少し、なんと70歳代には50%まで減少すると言われ「サルコペニア症候」と呼ばれています。

「サルコペニア」(sarcopenia)とは“加齢に伴う筋肉量の減少による筋力又は身体能力の低下”を言い「階段を降りるのが怖くなった」、「何でもない処でつまずくことが多くなった」、「歩くスピードがノロノロ歩きになった」等の身体的変化をいう医学用語で、筋肉を創り出す能力が低下する結果として55歳頃から60歳代にかけて急激に減少することが原因とされています。

私たちのカラダは新陳代謝と言われる細胞の生まれ変わりが常に行われていて、体の動きを支える筋肉は、骨や関節と比べると生まれ変わるスピードが速いうえに増強することが出来、反面栄養不足や運動量が減少すると衰えやすい特徴があるので新陳代謝するための食事による栄養補給と、ステッキ使う【ステッキ健康ウォーキング】等で筋肉を動かし鍛える運動を継続して行うことで常に筋肉へ刺激を与えれば、何歳からでもその衰えを緩和し反対に筋力を補強することができる「老化に抗(あがなう)」器官なので「サルコペニア」予防となり、筋肉細胞の核が筋肉のはたらきを遺伝子が重量などを覚える「マッスルメモリー」は、過去にしっかりと鍛えた筋肉は刺激を受けると核はまた活性化をしてその状態が戻ると立証されており、健康ウォークで下半身の筋肉を鍛えることが、マッスルメモリーやサルコペニア対策として“転びにくい”元気な行動によって健康で長生き出来るのです。

サルコペニアの自己診断法

  • ・ふくらはぎの一番太い部分を両手の親指と人差し指で輪をつくり囲む。
  • ・ピッタリ囲めたり、輪とふくらはぎに隙間ができる場合はサルコペニアの症候です。

血行促進

人間が歩いたり、しゃがんだり、物を持ち上げるなどの “動く” 動作には必ず骨格筋と呼ばれる筋肉の働きがあり、血液中の酸素と栄養分を取り込んで代謝したり、ホルモンを産生する働きも担っています。散歩などの酸素を大量に取り込みながら歩くという有酸素運動ウォーキングは、大量の筋肉を使うことで全身の血行量が増え、筋繊維の表面に張り付いている毛細血管を通して酸素やエネルギーの元であるブドウ糖を全身に供給します。当然脳への血流も増え、神経細胞に運ばれ脳内神経が活性化される結果認知症の予防となります。

又、筋肉を動かす結果、神経伝達物質セロトニンの分泌を促して「抗重力筋」(僧帽筋、広背筋、脊柱起立筋等)を刺激してイキイキした姿勢を保ち、不安やうつ気分が解消され健やかな体調を維持することにもなります。

第二の心臓といわれる「ふくらはぎ」は二足歩行の人間だけにふくらはぎがあり、他の動物にはふくらはぎはありませんが、脚の先端と心臓の位置が遠くなり、足から心臓へ血液が循環することが大変となり、足のふくらはぎは第二の心臓としてミルキングアクション(乳搾り)と呼ばれ、歩くことで足の筋肉が伸縮することで血行良くして心臓へ血液をスムースに循環させる働きをするようになり、筋肉強化によってブドウ糖など脳への血行を促進して認知症対策となり、疲労に伴う「疲労物応質」乳酸の二酸化炭素と水への分解作用にも大きく作用する効果があります。

【遅筋線維】(赤筋)の補強

骨格筋を構成する筋線維には持久力のある遅筋線維(赤筋)と速筋線維(白筋)があり、ゆっくりと歩いたり姿勢を維持する時の有酸素運動の時に使われる遅筋線維は酸素をエネルギーに変換する役割のあるミトコンドリアを多く保有し、ミトコンドリアは鉄分を多く有しているので鉄分が酸素と結合して赤色となる。遅筋線維は速筋線維に比べてゆっくり収縮し、細くしなやかで増加しても体重は増加しないために身体への負担が少なく疲れも少ないので筋肉痛を起こしにくい筋肉で長距離ランナー等に適する筋肉です。使わないとどんどん減少してしまい、同じ姿勢を保ったり、立ち続ける、歩くといった持続的な活動が難しくなり、宇宙飛行士は宇宙で無重力状態で過ごした後に立っていられない状態や、病院等で手術の翌日から歩く練習をするのも遅筋線維(赤筋)を維持して寝たきりを予防するためです。

遅筋線維(赤筋)はつけるのに時間がかかる一方、一旦つくと速筋線維(白筋)に比べて減少し難く、30歳前後から次第に減少すると言われる速筋線維(白筋)に比べて何歳になっても鍛えれば増加するという特徴があり、ステッキウォーキング等の有酸素運動で強化されるのは主として遅筋線維(赤筋)若しくはインナーマッスルと呼ばれ持久力を高める筋肉です。

速筋線維(白筋)の補強

伸縮速度の違いから分別される速筋線維(白筋)は素早く大きな力を発揮することができる筋肉なので、瞬発力が要求されるの短距離競走や重量挙げのような無酸素運動時に使われ、赤筋に比べて毛細血管は少なく代謝が悪いので疲労しやすい。高齢者は加齢に伴って次第に強い刺激の運動が減りがちなので、速筋線維(白筋)が衰えて遅筋線維(赤筋)の割合が多くなり、屋内や屋外の階段の上り下りや出入り口の段差につまづいたり、路面が水や油等で凍結したり濡れていて滑ってしまったりして転倒する体制を立て直すといった瞬間的に力を発揮する動作が困難となり、思わぬ転倒や転落の原因となってしまいます。遅筋線維(赤筋)を維持しながら、多少でも速筋線維(白筋)の縮小を防止するためには、インターバルウォーク等で速筋線維(白筋)補強運動を心がけると共にステッキを所持して有効に活用しながらウォーキングすることが大切となります。
インターバルウォークとは早歩きとゆっくり歩きを数分間交互に歩くウォーキング

「フレイル予防」対策

新型コロナの世界的な感染を防止する為に外出自粛等の制限があって散歩やウォーキング等赤筋を使うことが少なくなってしまい、健康な生活を過ごしていた高齢の健常者も転倒が原因で次第に寝たきりや介護を必要とする要介護者に虚弱化する傾向にあり、マスクと手洗いに気を付けて三密な行動で感染を予防しながら“歩く”ことが終息が予測出来ない「Withコロナ時代」の健康長寿法となります。

「認知症予防」対策

 健康で元気な身体であっても身体をコントロールする「脳」が欠陥してしまっては満足な人生として日々を過ごすことにはならないので、認知症予防の要は「運動」です。現在のように交通機関が発達し歩くことが少なく、電化製品やインターネットの発達で便利な生活になれてしまうと、余程意識しないと「コロナ感染予防」や「熱中症対策」で一層外出がする機会が少なくなってしまい、コミニケーションが不足し、身体能力の衰弱と共に脳の活性化が衰えて「認知機能低下」に陥る心配が発生します。

 人間だけが持つ「二足歩行」の運動機能は使わないで、主に手と頭脳を多く働かせて運動機能を退化させるような生活では、脳の働きのためにも良くない状況になっていますが、そうした状況の中で“歩く”という動作は全ての健康法の王道と言われ、脳との関連性においても「認知症の予防」やコロナ自粛による「フレイルの予防」に効果があると期待されています。
「運動」すなわちステッキなどを道具にして歩く「ステッキウォーキング」は下半身の筋肉強化の効果と共に、全身に血液を送り出す「心室」に筋肉がついて、心臓がパワーアップをして滑らかに拍動して”強い心臓”となり脳への血流を活性化することによって加齢に伴って硬化して動きが鈍る血管の動脈硬化などの予防と併せて認知症予防となります。

認知症の原因

  • ①神経細胞(ニューロン)の情報交信の際に発生する「アミロイドβ」が加齢などによっての分解や排出のバランスが崩れて多量に蓄積され「老人斑」として海馬や偏桃体縮小作用を及ぼす。
  • ②糖尿病による血糖値が多量でインスリンの血糖分解作用が追い付かず、分解できないインスリンが多量に「インスリン分解酵素」に変換し、アミロイドβを分解する作用が衰退して「老人斑」が蓄積することで大脳辺縁系の海馬や偏桃体の神経細胞の外に付着して死滅・減少させて萎縮させてしまう。

「熱中症対策」

夏は発汗量が多く脱水症状を起こしやすく体内の電解質、カルシウムやカリウム、マグネシウムなどのミネラルのバランスが崩れると、足がつる現象が起こると言われていますが、熱中症に耐えるには「筋肉増強」が必要となります。※ インターバルウォーック 早歩きとゆっくり歩きを数分間交互に約15分程度歩くのが望ましい

通常筋肉と称される「骨格筋」は体内で約400個ありますが、男性の場合は体重の2分の1、女性は3分の1が筋肉と言われ、その70%は下半身に集中し、カラダには水分が約60~70%あると言われ、筋肉量が多い人ほど体内に水分が貯蔵される量が多いので、飲食などで水分の補給が少なくても熱中症になり難いと言われています。

特に高齢者は年齢と共に筋肉量の減少に伴って体内の水分量が少なくなり脱水症状となり易く、平常時からステッキを使った散歩などで下半身の筋肉量を増強することが今後危険な酷暑の熱中症対策ともなります。

熱中症にも耐えるスゴ~い カラダを作るカギはズバリ 「筋肉」!

日頃から転ばないようにステッキを使って歩くステッキウォーキングで筋肉量を増強することが酷暑のコストをかけない熱中症対策になります。

 

2.ステッキで長寿ホルモン「アディポネクチン」の活性化

内臓脂肪の燃焼することによって
長寿ホルモン「アディポネクチン」の増加促進

長寿ホルモン、「アディポネクチン」は人間に300億個あるといわれる脂肪細胞から分泌され、血管の壁などに付着して傷を修復する作用がある善玉物質(ホルモン)で、1996年大阪大学医学部 松澤祐次教授(現住友病院院長)によって発見され、2003年東京大学医学研究科門脇孝教授によってホルモンであることが実証されました。

脂肪細胞が多いすなわち太った人の分泌が多いかというと実は太っていることは脂肪細胞が多いのではなく脂肪細胞が膨らんだ状態なので、アディポネクチンの分泌は少なく男女とも糖尿病になりやすく、男性は心筋梗塞に代表される血管系疾患に罹りやすく、女性の場合ガンを発症しやすい体質になりあらゆる病気に罹りやすくなると言われています。

血中のアディポネクチンの濃度が高い人ほど長寿で、逆に低いと生活習慣病と呼ばれる、メタボリックシンドローム(糖尿病、高血圧、高脂血症)、動脈硬化、がんの等に罹りやすく予防と改善効果が認められ健康や寿命に深くかかわるとされている「長寿ホルモン」です。

男性は20歳、女性は18歳でその人の内臓、骨、筋肉などが出来上がりカラダは完成したと言われていますから、それ以降に増加した体重は脂肪の重さということになり「脂肪体重」といいます。脂肪体重が増えると腹部の内臓周りに「内臓脂肪」が溜りアディポネクチンは減ってしまいます。内臓脂肪が多いすなわち肥満者は「アディポネクチン」の値は低い傾向にあって、太っているということは健康を守る大事な健康ホルモン=アディポネクチンの分泌を妨げ、体重を減量出来た人は反対にあらゆる病気を遠ざけられる傾向にあります。

アディポネクチンの効能

  • 動脈硬化を予防し改善する
  • 糖尿病を予防し改善する
  • 高血圧を予防し改善する
  • 脂質異常症を予防し改善する
  • メタボリックシンドロームを予防し改善する
  • がんを予防する
  • 脂肪肝を予防する
 

3.ステッキ歩行で骨粗鬆症対策

骨の補強とカルシューム

現代では60歳以上の3人に一人、70歳代女性の約半数が「骨粗鬆症」といわれ,全国の患者数は1200万人というの病気ですが、女性は出産などでカルシュームを消費するのが原因に加え、加齢等に伴い古い骨を壊す細胞(「破骨細胞」)と新しい骨を作る細胞(「骨芽細胞」)のバランスが壊れることが原因で、軽石のように骨に沢山の穴があいてもろく、転倒による骨折が原因で寝たきりとなってしまい、多量のカルシューム成分を失う結果となります。
人間のカラダは約200本の骨で構成されていますが、50歳頃から骨量は急激に低下すると言われ特に女性はその傾向が強いので、そうした「健康リスク」を少しでも減らすために1日のうちに約10~15分だけでも日光欲をするだけでも良いと言われていますが、屋外を歩いて太陽を浴びて紫外線による皮膚中のコレステロールの一種「デヒドロコレステロール-7」(7-dehydrocholesterol)というプロビタミンD3と呼ばれる有機化合物の働きによって、(一)カルシュームの吸収に役だつビタミンDの生成を促進、(二)小腸で食物に含まれるカルシュームの吸収、(三)カルシュームを細胞に運ぶ役割の強化に依って、老化を遅らせ身体の機能低下防止や骨粗鬆症の予防に役立ち、結果転倒の防止にも役立つ効果があります。

※ビタミンDは、サンシャイン・ビタミンとも呼ばれ、最近では股関節周辺の筋肉萎縮との関係が指摘されており、筋肉の活性化に効果がある働きをし、ビタミンDが不足すると単にサプリメントやカルシューム飲料を補給するだけでは骨にカルシュームを吸収することなく身体を素通りするだけの結果となり、カルシウムをうまく体内に取り込むことができないとか、骨の強化に役立ち不足すると骨粗鬆症の原因ともなります。

 

4.ステッキで「変形性膝関節症」対策

変形性膝関節症

「変形性ひざ関節症」という病名は症状が進行することでひざの骨や関節が変形することから名づけられたもので、「立ち上がり、階段の下り、歩きだし」等の際に痛みが生じ、大きな力が繰り返しかかるとその負担に耐えられなくなって関節軟膏の表面に傷がついたり変形してしまい「軟骨変性」と言います。軟骨変性が進行すると弾力性が失われて衝撃吸収力が低下し、さらに外力がかかると関節軟膏の内部のコラーゲン線維の骨組みが徐々に破壊され、「軟骨組織」の主成分であるプロテオグリカンが失われて関節軟膏が擦り減って本来の潤滑油やクッション材の役割が低下してしまい衝撃を吸収することができなくなって膝や腰の突発的な痛みに悩まされるのです。

厚生労働省の調べでは全国に約1800万人、50歳以上の人の半数、65歳以上の人で3人に一人が変形性ひざ関節症で膝の痛みを抱えていて、膝が痛いと歩くことが苦痛をとなり、運動不足による筋肉減少で転びやすくなり、その結果寝たきりの原因になる可能性があります。特に男性に比べて多くの女性が「変形膝関節症」に悩んでいると言われています。

主な原因としては関節の動きを支えるプロテオグリカンやヒアルロンサンを主成分とする軟骨細胞が加齢により老化、肥満、筋力の低下などが原因で骨を分解や合成する代謝機能が低下して軟骨組織が徐々に擦り減り、無くなってしまうのですが、明確な原因は現在のところ分かっておりません。

多くの女性は閉経と共に卵胞ホルモンの分泌が減少し、骨が弱くなり古来からの畳生活の生活様式が原因で膝関節に負荷がかかった結果悩みを持っているといわれ、今日では洋式トイレは当たり前となっていますが、古くから和式トイレで一日に何度かしゃがむ姿勢を強いられてきただけに特に年配者の「膝」への負担は大きかった結果です。

また、高度成長時代は住宅購入に際して、眺望は高級住宅の最も高いステイタスとして要望が強く、海や山並みの眺めが良い立地条件が高級住宅とされ坂道を上り、数段の石段を上がって玄関にという宅地構造は、足元が不安定な高齢化した昨今では老化に伴い足腰への負担の多い住宅として敬遠される傾向にあります。

学生時代運動系のクラブ活動に熱中し、「ウサギ跳び」などの膝や腰を過剰に使った経験のシニアが特に最近変形性関節炎を発症している方が多く悩んでおられるようにお見受けしますが、反対に若い時にはスポーツをしていなかった人が中高年になって過度に関節に負荷をかけるスポーツを始めた人も要注意です。

ハイヒールで街を歩く女性は少なくなっていますが、以前はビジネスを中心にハイヒールが全盛の時代がありました。つま先で立ってみると良く解りますが足先に力が入った姿勢になり、このような姿勢を長く続けることは大変な労力であると感じます。

関節はあらゆる動作の「かなめ」です

人間の関節は68個のあり身体の場所によって適した動きが出来るように出来ていますが、「関節頭」という凸面と関節窩(かんせつか)という凹面が合わさり、摩擦が生じないように軟骨とヒアルロン酸などの潤滑油で覆われて出来ていますが、日本人の65歳以上の80%が関節の骨盤の「寛骨と大腿骨」、「膝の脛骨と大腿骨」のそれぞれに関節症の悩みを持っていると言われています。

加えて老化や姿勢の悪さ、運動不足も加わり、人体の最大の関節で太ももの付け根にあり、胴体と両下肢をつなぎ上体をまっすぐに立てるための「支点」である股関節に痛みや不具合が生ずると身体のバランスがゆがみ首、腰、膝などの関節にそのゆがみを吸収するために負担がかかり、変形性膝関節症、変形性腰関節症を招きます。

叉、腰痛がひどくなるとその痛みをカバーしようとして姿勢がゆがみ、背骨(医学的には脊柱という)が片側に曲がってしまう「脊柱側弯症(せきちゅうそくわんしょう)」を引き起こし、側弯症になると肩や骨盤の高さが左右非対称となり、場合によっては胸部が変形するので肺や心臓、胃腸や子宮などを圧迫して胃下垂や逆流性胃腸炎、慢性の腹痛、重い生理痛、息切れ、慢性肩こり、慢性疲労を引き起こす原因となるのです。

さらに背骨の中をとおっている神経や背骨と背骨の間のクッション役の椎間板に負担がかかり自律神経失調症や椎間板ヘルニアの危険性も発生し、夜中に「痛みのために目を覚ます」ことが睡眠不足の原因ともなり、ストレスになってうつ病を引き起こすこともあります。

股関節や膝関節の衰えをカバーするには関節自体を鍛えることは出来ませんが、ステッキを使った散歩等の歩行運動やスクワット運動等によって関節周辺の筋肉を鍛えて筋肉を構成する筋線維を強化し、骨を連結する筋肉大腿四頭筋や腹筋の収縮作用で関節の活動を安定性や衰えの防止となります。

このように変形関節症でお悩みの方は立ったり歩くことも痛みを伴うのでついおっくうになりがちで、我慢しながら歩くと股関節が悪いと体重をしっかりかけることができず骨盤が左右に揺れ動き不安定になったり、片足で立ったとき体重のおよそ3倍の力が股関節にかかり中殿筋に大きな負担がかかります。その際杖を持つと中殿筋の働きを助け,2本足で受けもつ力を「2本の足+1本の杖=3本の支え」で分担することになるのです。

杖を持つと重心が左右に振れず身体や骨盤は平行に保たれ歩く姿も安定して転倒の防止になり、ステッキを日頃から活用することでセルフケアとして健康の維持を心がけることとなります。また、旅行や外出時にバックなどに折りたたみステッキを入れておいて、馴れない旅先の坂道や不安定な岩場などの場所や少し疲れたと感じる時の歩行の際に活用することも「転ばぬ先」に効果的で、比較的マイルドな運動で足腰を鍛える際にもひざや腰に負担のかからないようなステッキを使った「マイルドなウォーキング」とか「水中ウォーキング」が効果的です。

男性に比べて女性に発症しやすい関節リュウマチ

関節リウマチは「多発性慢性関節炎」といい国内で80万人以上の患者がいると言われ、関節リューマチの発症の原因は分かっていませんが、ウイルス等の細菌などから自らを守る免疫細胞が過剰に働いて関節を攻撃して炎症が起きる障害で、手の指や手首に発症し、肘、肩、脊髄や股関節など全身の二か所以上で左右同時に発症し、全身の関節に腫れや痛み、こわばりが出るほか、発熱や倦怠けんたい感なども生じ、進行すると骨や軟骨などが変形し元に戻らなくなってしまい大半が女性が発症しどの年代にも起こりうる全身性の病気です。
最近では関節の超音波検査で早期発見が可能になり、痛みや腫れを抑えるだけでなく、関節の破壊や変形を防ぐ薬が開発され、治療効果は大幅に改善したが効果が高い一方で、他の免疫を抑制する作用もあるため、専門医の診断や新型コロナなどの感染症への注意が必要です。
関節リューマチの症状改善には、何よりも早期の発見と専門医の診断、大きな関節のリハビリを主に担う理学療法士、細かい作業のリハビリを担う作業療法士、の適切な治療を行えば痛みを含めてコントロールできる病気となりつつあります。

 

5.ステッキで「変形性股関節症」対策

股関節とは

「股関節」は太ももの付け根にある関節で、上半身と下半身をつなぐ“全身の動きの要”となる最も酷使されている重要な関節で、大腿骨と骨盤の大腿骨頭と骨盤の左右にあって、骨盤の両側にある臼状のくぼみに、大腿骨の球状の先端がはまりこむ構造になっていて、前後や左右、回旋をするように動きます。、股関節、膝関節、足関節、肩関節、肘関節、手関節の「六大関節」中でも最も大きく、重い体を支えながら歩く・走る・跳ぶ・立つ・座るなどのさまざまな動きをするための「かなめ」でもあり、股関節の衰えは、姿勢や歩行に大きく影響し、痛みが発生すると歩行も困難となり腰痛や転倒・骨折などを引き起こす原因にもなり健康寿命に大きく影響を及ぼします。

速足で歩く際は体重の10倍、通常の歩行で体重の4~4.5倍、立ち上がる際には体重の7倍の負荷がかかると言われていますから、長時間歩く際には股関節に負荷のかからないようにステッキを活用したり、適当な休憩のために腰掛ける等の工夫が必要です。

負荷の大きさ

  • 階段の上り下り 体重の6.2~8.7倍
  • 立っているだけ 体重の0.6~1倍

変形性股関節症

関節の表面は軟骨で覆われていて正常な状態ではスムースに動きますが、関節の形の異常や老化が原因で軟骨の表面がすり減ったりざらざらになったりして関節が徐々にスムースに動かなくなるように変化して炎症が発生し水が溜まったり痛みが発生する状態になり主として40~50代の女性が多く発症します。「変形性股関節症」は通常男性に比べて約4倍の比率で女性が発症しやすいと言われますがはっきりとした研究成果や原因はありません。特に先天性股関節脱臼が原因であったり、学生時代に激しいスポーツや活動によって股関節に過大な負荷をかけていた人、若い時のハイヒールによる膝への影響、膝が冷えやすいスカート、和式トイレによる膝への影等が考えられ、年を取ってから症状が発症することが多いので注意する必要があります。

【一次性変形性股関節症】

特別な病気の症状を伴わない老化や肥満等によって発症し、欧米では多い症状です。

【二次性変形性股関節症】

乳児期に先天性股関節脱臼や先天性寛骨臼形成不全が原因で発症したり外傷が原因で発症し、日本の中高年の女性が発症しやすいと言われ、放置すると車いすや寝たきり生活を余儀なくされます。

変形性股関節症対策

変形性股関節の治療は手術と手術以外の治療法に分かれますが、股関節自体は自力で鍛えたり、再生したり、修復することができないので日頃から適度な運動やウォーキングなどで股関節周辺の筋肉を補強することが必要な治療となります。
また、グルコサミンやコンドロイチンという天然のアミノ酸は軟骨成分に多く含まれ細胞同士を結び付ける役割をもっている成分ですが、経口的に服用することによって軟骨成分が増えて痛みを緩和したりすり減った軟骨を再生するかどうかの科学的明確な証拠はなく、関節軟膏には血管が無いのでサプリメントや薬品を服用して血液によって補給することが出来ず、関節液の中の栄養成分を表面からしみ込ませて補給するので治療ではなく補助的に活用することが重要です。

生活の改善点

生活様式の改善 洋式の生活(ベッド、トイレ、椅子)に切り替え、階段に手すりをつけると股関節の負荷や痛みを軽減する。
温める工夫 日頃からお風呂などを使って身体を温めて股関節周辺の血流を良くして痛み和らげるようにする。
歩く心がけ 股関節に負荷のかからないようにステッキや杖を使って歩くことによって筋肉を補強し、長い時間歩かない、重い物を持たないように気をつける。
プールで訓練 プールで歩いたり泳ぎながら股関節を動かして可動域や歩行訓練を行う。
 

6.ステッキを使って「腰部脊柱管狭窄症」対策

腰部脊柱管狭窄症とは

「腰部脊柱管狭窄症」は私が店頭などで接客する際悩んでいる人が多くなった病名ですが、背骨にある「脊柱管(せきちゅうかん)」と呼ばれる神経の通り道が、老化に伴う背骨の変形やヘルニアなどが原因で狭くなって、中を走る神経が圧迫され腰から足先にかけての痛みやしびれる症状で、古くから“坐骨神経痛”と称して「椎間板ヘルニア」と混同されていました。

神経には、脳からの指令を手足に伝える役目を担っている「運動神経」と、手足や体の各部からの熱い・痛いなどの感覚を脳に伝える「知覚神経」があり、こうした神経は人間の頭蓋骨から臀部までの椎骨(ついこつ)という頚椎7個・胸椎12個・腰椎5個計24個が重なるように縦に連なった状態で構成された骨の椎孔という空間を脊柱管と言い、その中を脊髄神経や血管が保護されるような形で束ねた状態で通っていますが、主に軟骨組織や椎間板の老化が原因で脊柱管が細くなり神経の束を圧迫して足腰に痛みやしびれを発症します。

一種の生活習慣病ともいわれる「脊柱管狭窄症」は、若い時激しいスポーツをしていた人、長時間の運転や過度の肉体労働や重いものを抱える作業などに従事し腰に負担がかかっている人は、「腰部脊柱管狭窄症」を発症しやすいと言われていますので、歩くと痛みやしびれを訴えたときは、「腰部脊柱管狭窄症」の可能性があります。

腰は人間にとって神経が集中する大切な器官で、腰部分の神経が入っている脊柱管には脊髄神経が通っていて、5個の腰椎という骨から成り立っており、これらは幾つかの靱帯組織により連結されていて5個の腰椎は幾つかの靱帯や、椎間板と呼ばれる一種のクッションのような働きをする組織によりつながれていますので、「腰部脊柱管狭窄症」は、60歳以降の方に多くみられ、腰背部痛・下肢痛・「しびれ」が主な症状で、腰椎椎間板ヘルニアにおける下肢痛ほどは強くなく、腰部脊柱管狭窄症における「下肢痛」や「しびれ」は、安静時には全く無症状ですが、歩行や直立の作業や姿勢を継続すると悪化してしまい、腰を前かがみにして曲げて休むと症状が軽減したり、痛みがなくなってしまう「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」とよばれる症状となります。しばらく休めば症状が消えるため、痛みが出ないようゆっくり歩く、なるべく歩かないようにする対処をする人は少なくないのですが、痛みを避けて歩かないでいると、筋肉が痩せて歩けなくなってしまうとか、血管や神経の病気を進行・悪化させてしまう結果となりがちです。

「腰部脊柱管狭窄症」は、ジリジリ進行しいったん変形した背骨を元に戻すことは難しい病気なので、治療を受けてもなかなかよくならないケースが多く、長時間立っていたり、歩く、洗濯物を干す、台所仕事をするなどの動作は脊柱管が圧迫された状態になりやすい動作なので、臀部や下肢に痛みやしびれといった苦痛な症状があらわれますが、「脊柱管狭窄症」の疑いのある人は短めに長さを自由に調整可能な「伸縮式ステッキ」(杖)や「シルバーカー」などを使って前かがみに歩くとか、椅子等に座ったり背中を丸く前かがみの姿勢をすると脊柱が曲がることで脊柱管が広がって痛みやしびれが軽減されたり消滅したりしますので出来る限り前かがみで歩くよう心がけることも大切です。

脊柱(背骨)の構造

頸椎 7個  頭部を支え、脊柱の中心には脊柱管があって中を脊髄が通っている。
胸椎 12個  左右の肋骨と繋がり脊髄は腰椎のあたりで馬尾(ばび)神経と呼ばれる。
腰椎 5個  上体を曲げる際の神経の束となり坐骨神経大腿神経とに分かれている。
仙椎 腰部脊柱管狭窄症では脚や陰部にしびれの症状がでる。
尾骨 脊椎の最下端の骨。尾骶骨(びていこつ)と呼ばれている。
 

7. 長寿(寿賀)のお祝いに名入れの贈り物

長寿の祝い(寿賀)

長寿のお祝いは「寿賀の祝」とも言われ、中国の礼式から伝わって奈良時代から行われてきた日本固有の風習で、以前は数え年(生まれた年を一歳として数え、新年を迎えるごとに加える)で祝うしきたりでしたが、最近は満年齢で祝うことが多いようです。

日本人の平均寿命も世界で有数の高齢化となり、70歳で古希と言ってもまだまだ若々しく活動されていたり、現役としても元気で活躍をされている人にとって、ステッキを差し上げるのは不快な思いにさせるかもしれませんが、ご本人のご意向を確かめた上、格調のある「ステッキ」をお贈りすることは人生の節目の最適なお祝い品としてこれ以上なく喜ばれる贈り物です。

※ 木製・カーボン製ステッキは、レーザー彫刻・金文字「名入れ」が可能です。

 

寿賀の説明

還暦 61歳
生まれた干支に戻るという意味から赤ちゃんに戻るという意味で赤い「ちゃんちゃんこ」を贈る風習として使われています。
録寿 66歳
2002年9月日本百貨店協会が提唱し年齢の66歳を緑緑(ろくろく)と見立てた語呂合わせを祝名として使われています。
古希 70歳
唐の詩人である杜甫「人生七十古来稀なり」という詩が由来で唐の時代は70歳まで生きるのが稀だったことから70歳の祝いに使われるようになったとされています。
喜寿 77歳
「喜」という字の草書体を分解すると七十七と読むことができるという由来で77歳の祝に使われるようになりました。
傘寿 80歳
「傘」の略字が八十と読むことができるということでこの字が使われるようになりました。
半寿 81歳
「半」という字を分解するとが「八」と「十」と「一」の組み合わせから八十一となり使われるようになりました。
米寿 88歳
「米」という字を分解すると、「八」「十」「八」になることから「八」は縁起がいいとされているため、八が2つ重なる88歳の祝いの風習に使われるようになりました。
卒寿 90歳
「卒」の略字を分解すると九十と読むことができるということでこの字が使われるようになりました。
珍寿 95歳
「珍」の偏(へん)である「王」を「一」「十」「一」、右側を「八三」とすると、「1+10+1+83=95」となり95歳の祝いに使われるようになりました。
白寿 99歳
「百」という字の上から「一」を引くと九十九になるということからこの字が使われるようになりました。
百寿 100歳
100才を祝いするもので100年=1世紀ということから紀寿(きじゅ)と書くこともあります。
茶寿 108歳
「茶」という字は古くは草冠「十十」即ち10+10=20、下の部分は「八十八」と合わせて108歳の祝いに使われるようになりました。
皇寿 111歳
「皇」の字は「白」と「王」に分けられ、 白は「百」の「一」を取ると「白」の字になることから「九十九」、王は分解すると「十」と「二」で「十二」となり足して、「111」になります。

木製・カーボン製【レーザー彫刻・金文字名入れ】

 

漢字・かな・カナ・英文字(筆記体・ブロック体)1行約10文字、2行以上の場合は倍数。
期間:約2週間

 

8.『100歳時代』のサクセスフル・エイジングのために

サクセスフル・エイジングとは

世界でも有数の高齢化社会の日本で人生100歳の時代は新しい生き方を想定する必要があると思われます。

一方で厚生労働省の発表では要介護認定者が全国で前年より22万人増えて606万人に初めて達し、ますます増加する傾向にあるとすれば、一人ひとりがいかにして介護される仲間に入らないかと日々意識しながら生活することが大切な心構えで、誰もがこれまでに経験のない長寿時代を「医療や福祉に頼ることなく」「健康で愉しみながらいきいきと暮らす晩年」という“新しい老人のライフスタイル”を求めながら過ごしたいものです。

人間のカラダには「使わなければ廃ってしまう」という大原則がありますから、足腰に痛みや苦痛があっても、適切にステッキを使いながら「素敵っき健康ウォーキング」でシッカリ歩いて基礎代謝を高め、体内脂肪を燃焼しながら筋肉量を増やして

  健康という資産の為に、脳と筋肉にはラクをさせないで若々しく保つための“貯筋”を心がけて
        「ステッキ」を日々活用しながら“歩く”ことをお薦めします。

弊社の諸々のご提案が、究極的には“長患いせず”周りの人に迷惑をかけない“サクセスフルなエイジング”として人生を全うし、旅立つことが出来るご参考になるではないかと考え「素敵っき」というアクセサリーが日常生活において『健康長寿の杖』になれば幸いです。

株式会社 Keireck
代表取締役 加藤 研也

 

主な参考文献の紹介

スゴイカラダ 北村昌陽著
脳内革命 春山茂雄著
新脳内革命 春山茂雄著
転ばぬ先の杖と知恵 武藤芳照著
ぼくのおかしなステッキ生活 坂崎重盛著
より良く老いる技術 山本思外里著
超善玉ホルモン「アディポネクチン」 白澤卓二著
75歳からの健康生活のススメ 井原國芳著
50歳からの体が老化しない生活習慣 岡部正著
成長ホルモン物語 鎮目和夫著
「老けない体」は股関節で決まる 石部基実著
大腰筋を鍛えなさい 久野譜也著
変形性関節症 伊藤宣/石島旨章/岡崎賢著
世界木材図鑑 平野陽三著
百歳まで歩く 田中尚喜著
錆びない生き方 南雲吉則著
「老い」に負けない生き方 エレン・ランガー著
転倒予防の心がけ 武藤芳照著
シニアマーケッティング 阪本節郎著
奇跡のホルモン・スイッチ 加藤雅俊著
セロトニン生活のすすめ 有田秀穂著
「脊柱管狭窄症」が怖くなくなる本 福辻鋭記著