気配りのコツ

京都・丹波の先輩 荒田弘司 さんが、最近「こころに届く 気くばりのコツ」という著書を出版されました。
京都人らしい細やか表現で、日常のほんのチョッとした思いやりの大切さを、教えて頂いた気がします。

その知り合いの女性Nさんは、ある著名な先生と待ち合わせをしていました。
ちょうど、時間ぴったりに着くはずでした。
ところが、待ち合わせの駅までもう少しというところで、突然の事故。
地下鉄のダイヤは乱れ、約束の時間には間に合いそうにもありません。
Nさんは、焦りました。
「先生を待たせてしまうなんて、ああ、どうしょう」
「そもそも、余裕を持って家を出なかった私もいけなかった」
予期せぬ事故とはいえ、遅れる自分自身にふがいなさを感じてしまう。
ましてや、仕事上の大先輩でもある方との待ち合わせ。
Nさんは行動の甘さを痛感しました。
そんな焦りと後悔、自責の念にかられながら、とにかく、Nさんは先生の携帯電話に電話をかけました。状況をひと通り説明し、お詫びしたところ、先生は、この冒頭の言葉をNさんに伝えたのでした。

「待つ私より、待たせるあなたがおつらいでしょう。気をつけていらしてください」