新型コロナウイルスのルーツ

本日(6/4)産経新聞「コロナ苦闘と共生」で掲載されたので勝手に興味のある部分を抜粋した。

コウモリは多くの感染病のウイルスを持ち「ウイルスの貯蔵庫」と呼ばれるが、強力な免疫の仕組みを持ち人が命を失うようなウイルスに感染しても発病しない。強い免疫力に対抗するためより速く増殖できるように進化し、人に感染すると強い毒性を持つようになった。

コウモリは洞窟や樹木の上等で異なる種が密集したり、接触して違う種類のウイルスが混じり合い変異し易い新型ウイルスの量産工場。「コウモリが媒介するコロナウイルスがまた流行し、中国がホットスポット(発生源)になる可能性が高い」と昨年3月武漢ウイルス研究所のチームが警鐘をならした。コウモリの排泄物によってウイルスが自然界にまき散らされ感染した野生動物が仲介役となり、古くから野生動物を食用にする習慣のある人に感染する構図となる。その仲介役に全身を覆ううろこが漢方薬の原料、肉も珍味として食べられる「センザンコウ」が疑われ、コウモリとセンザンコウの間に遺伝子の組み換えがおきて新型ウイルスが生まれたとの報告がある。

新たなウイルスの誕生や感染拡大を防ぐ為にもウイルスがどんなルートで人間の世界に入りもむのか、飛沫などで感染するコロナウイルスのルーツを明らかにするのは非常に難しいとされている。

※ センザンコウはアジアやアフリカで8種類生息する哺乳類で、2017年に全種の国際取引が禁止されている絶滅危惧種に指定されている。