こだわりの時計-3

時計の裏側は全くボロボロな状態。フレームは金属が剥がれているのがお分かり頂けると思う。
50年時を刻んでくれた「こだわり」には訳がある。

1960年高等学校を卒業し入学するに際して、母が当時勤めながら月賦で購入してくれた品である。「ラドー」というブランドが日本に輸入されて間もない時期に決して安くない輸入時計を買い与えてくれたのだった。
女親が子供に与える愛情という「こだわり」だったと言えるのかも知れないと今も思うが、以来、自分のこだわりが始まったのかも知れない、今も母の“思い”を「こだわり」としているのかも知れない。
そしてモノを大切にする気持ちをこの時計と共にこだわりたいと思う。

進化した20世紀を一人ひとりにこうした「こだわり」を再度思い浮かべてはどうだろうか。